スターダムで起きた喧嘩マッチについて
これもプロレス。そういう声をちらほら聞く。確かにそういえるかも知れない。リングの上で起こること、全てがプロレス。プロレスとは闘いだと。でもとても都合よくも聞こえるのが今の本音だ。
リングの上で起こったコトを見れば、ただ安川選手が弱かったのだ。たとえいきなりシュートの展開になったとしても、プロレスラーなら対応できなければならない。そもそもワークやシュートなんて言葉はファン用語であり、プロレスラー自体にはそんな言葉は何の意味も持たない。リングの上で起こる全てにプロレスラーは対処出来なければいけないし、想定していなければいけない。そういう意味ではこれも確かにプロレスだ。
だけども、これがプロレスではない。世Ⅳ虎選手が今回リングで見せたことははっきり言えば、誰にでも出来ることだ。
プロレスは誰でも出来ることなのか?理性を失い相手をボコボコに叩きのめす。それはその辺にいる本当に仲の悪い二人をリングに連れてきて、さあどうぞとゴングを鳴らす。それで成立してしまうレベルの戦いだ。世Ⅳ虎選手がリング上で見せたあの笑みは、街で粋がっている不良が、ちょっとやり過ぎてしまった時に強がって見せる笑いと同等のモノだった。背中まで透けて見えるその薄っぺらさをわざわざ会場まで見に行くファンはいない。
今回のこれが凄いと、興行のひとつだとプロレスだと認めてしまうのは、余りに浅はかだと感じてしまう。
プロレスファンはそういう凄みに魅了されてきたわけではない。そんな強さに憧れてきたわけではないのだから。
平成27年3月10日 Nicotina Menthole
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